クーポンはこちら

検索キーワード: バイリンガル | 結果 3 件 | 検索時間 0.021794 秒 

    • 知って得する / 教育・習い事
    • 2024年05月15日(水)

    アメリカの大学院への推薦状

    昨年、以前こちらの教室に通い、現在アメリカの大学で物理学 physics を勉強中の生徒から、志望する大学院 graduate schoolへの推薦状 Letter of Recommendation を書いてほしいと依頼がありました。

    外国で幼少期を過ごしたあと木更津のインターナショナルスクールの小学校に通っていた彼は、学校では英語で授業を受けているのに塾では日本語での指導という環境の中で戸惑い、授業についていけなくなるという帰国子女特有のパターンに陥っている状況でした。困り果てたご両親が当教室の話を聞きつけ、相談に来られました。

    当時学校ではアメリカの教科書を使用していましたが、言葉だけではなく授業の進め方や問題への取り組み方が日本とは違うのでこのような問題が起こってしまいます。こちらでは基本英語を使用して算数、理科、そして英語の指導をしました。その当時から理科には特に興味を持っていた彼とは、休み時間に英語と日本語を取り混ぜて彼が興味を持った理科の課題についてよく話をしたものです。

    中学3年生まで指導しましたが、当初苦労していた数学も良く理解できるようになりました。高校ではいよいよ物理学への興味が深まり、アメリカの大学に物理学専攻で合格しました。そんな彼が物理学で大学院に進みたいとのことなので、推薦状の依頼は快く引き受けました。

    ところが英語での推薦状、はカナダ在住時に知人が仕事に応募するときに一度書いたことがあるだけで、このような正式なものは初めてです。美辞麗句を多用しながら昔からの話を取り混ぜ、いかに彼が志望する大学院に向いているかを書き連ねました。そうこうしているうちに彼が応募 apply したいくつかの大学院から次々とメールが届きました。どの大学院も似たような形式で、そのメールにリンクされているフォームに入ります。まずは私の仕事に関する質問。そして彼をどれくらいの期間知っているか、そして彼の素質についての色々な質問に5-6段階の評価をして最後に推薦状を添付しするというものです。

    これはマサチューセッツ工科大学 MIT の大学院からのメールです。

    Dear Hiroji Ihara,

    [応募者氏名] has requested a letter of recommendation to support their application for admission to the Physics graduate program.

    Please submit your letter of recommendation here .

    Let us know if you have any questions.

    MIT Graduate Admissions
    gradadmissions@mit.edu


    推薦状を添付して送ると受け取り確認のメールが送られてきます。

    プリンストン大学院からは以下のような受け取り確認メールが来ました。

    Dear Mr. Ihara,

    We have successfully received your letter of recommendation for [応募者氏名] to the Graduate School at Princeton University.

    Thank you for your time and consideration.Sincerely,
    Graduate Admission
    Princeton University
    Clio Hall
    Princeton, NJ 08544

    アメリカの大学に留学している当教室の出身者は他にもいますが、大学院に進むのは彼が初めてです。お陰様で私も貴重な経験をすることが出来ました。
    希望する大学院に進めることを祈ります。

    • 知って得する / 教育・習い事
    • 2024年05月09日(木)

    カナダとアメリカ #2

    カナダに住んでいた頃に感じたカナダとアメリカの違いその2です。

    カナダとアメリカは同じお金の単位- ドルとセント dollar, cent- を使用していますが、硬貨と紙幣の種類やデザインは異なります。

    <硬貨>
    硬貨はデザイン以外にも違いがあります。アメリカでは硬貨は1, 5, 10, 25セントが主流で50セントや1ドルコインは一般的には流通していません。カナダでは2013年に1セント硬貨が廃止になり、5, 10, 25セント、1ドル、2ドルが主流で、50セントコインは一般には流通していません。アメリカの50セントや1ドル、カナダの50セントはカジノでは流通しています。

    カナダとアメリカではそれぞれのコインに同じ名前がついています。1セントはペニー penny、5セントはニッケル nickel、10セントはダイム dime、25セントはクオーター quarter(4分の1という意味)。カナダではこの上に1ドルと2ドルの硬貨が有ります。1ドル硬貨には水鳥のアビ、英語でルーンloonが描かれていることからルーニーloonieと呼ばれ、2ドル硬貨には熊が描かれていますが、1ドルが2つ分という意味を含んでトゥーニーtoonieまたはtwonieと呼ばれます。外側がシルバー、内側がブロンズというツートーンカラーが特徴です。カナダの硬貨の片側にはすべてエリザベス女王の肖像が描かれていますが、先日亡くなったので今後チャールズ国王に変わるのでしょうか。

    <紙幣>
    アメリカの紙幣は基本的にグリーンですが、カナダはカラフルです。一般的に出回っているアメリカのの紙幣は1,2,5,10, 20, 50, 100ドルですが、カナダは1ドルと2ドルはコインなので5, 10, 20, 50, 100ドルで、最新の10ドル紙幣は珍しく縦型になっています。昔1,000ドルと5,000ドルを見たことがありますが、一般には流通していません。カナダでは現在紙ではなく耐久性に優れているポリマーという素材が使われています。

    ドルのことをカナダでもアメリカでもよくバック buck といいます。例えば100ドルのことを100 bucks というように。また1,000をKと表すこともよくあります。20Kは20,000ドルになります。このKはkilo(キロ)から来ています。

    <銃規制>
    カナダは銃器を持つことに関して厳しい国ですので、日本のようにギャング同士の抗争で銃が使用されることはあってもアメリカのように発砲事件が多発することはありません。カナダとアメリカの国境で、警察官が私の前の車のトランクから発見したピストルを路上に放り投げたのを見たときにはゾッとしたものです。

    カナダは大国アメリカの影に隠れてしまいがちですが、今回取り上げた以外にもアメリカとは違う面を持っています。また機会があれば紹介したいと思います。

    • 知って得する / 教育・習い事
    • 2024年05月06日(月)

    カナダとアメリカ #1

    カナダに20年間居住していたときに感じた隣国アメリカとの違いを挙げてみました。

    カナダとアメリカは国境を接し、同じく英語を話しながらも違う点が色々とあります。両国とも多くの移民で国が成り立っていますが、アメリカは出身国や文化を問わずアメリカ色に染めていくのに対して、カナダはそれぞれの文化を尊重しているところから、アメリカは人種のるつぼ、カナダは人種のモザイクと言われます。そのせいか、これは私見ですが、カナダのほうが人種や民族、最近ではLGBTQなどへの差別や偏見が少ないように思えます。

    <州>
    アメリカには50の州があり、ステートstateと呼ばれています。これに対してカナダではstateの代わりに10のプロビンス province と3つのテリトリー(準州)territory があります。カナダは国土が広いので一つの州 province はとても大きく、バンクーバーのあるブリティッシュコロンビア州 Province of British Columbia は州の中では3番目の大きさですが、日本の約2.5倍の面積があります。

    <言語>
    アメリカでは公用語は英語のみですが、カナダは公用語が英語とフランス語なので、政府関係の文書は必ず併記されていて、勤めている人たちも原則的には両方の言語を使えるバイリンガルです。また多くの大企業も英仏両方の会社名を持ち、両方の言語に対応しています。

    ケベック州 Province of Quebec ではフランス語が優先で、街中の看板はすべてフランス語です。英語と併記する場合はフランス語が先にきます。しかしながらフランスで使われているフランス語とは言葉の使い方、発音、時には文法も違ったりします。フランスで使われているのが標準語とすると、カナダで使われているのは、フランスの一地方で使われていた方言が独特の発達を遂げて来たものの様です。フランスからの観光客がタクシーの運転手と話が通じないなどということもあると聞きました。モントリオールで私が通った語学学校ではそれぞれの違いを教えていました。

    写真はケベック州の一時停止の標識です。上にフランス語、下に英語で表記されています。

    他の州では殆どの場合英語が優先ですが、色colorはcolour、劇場theaterはtheatreなど、スペルが違ったり、アメリカ人が最後に良く使う「でしょ」にあたるライトrightがカナダではエイehを使ったりします。何かいうたびにehをつける人もいて最初の頃は気になったものです。アメリカ人がカナダ人をからかったりするときに、ehを付けたりすることもあります。

    <単位>
    カナダではもともとアメリカと同じヤードやポンドを使っていましたが、1970年にメートル法に移行することになりました。とはいえ、行き来の多い隣国のアメリカがヤード・ポンド法を使っているので両者が混在している場面が多々見られます。
    車のスピードメーターはカナダでは写真のように外側にキロメートル、内側にマイルが併記されています。ガソリンはカナダでは日本と同じリットル liter ですが、アメリカはガロン gallon。

    食料品店などではカナダでは重さをポンド lb とグラムまたはキログラムの併記が多いようです。写真は肉屋のものですが、カナダ産の最高級リブステーキが1ポンド当たり$44.99, 1キロ当たり$98.98と表示されています。スーパーなどで肉やハムを注文するのを聞いていると店員はどちらにも上手に対応しています。

    身長はセンチメートルが基本ですが、フィート feet とインチ inch、体重もキログラムとポンドが併記されている場合があります。身長を聞くと、例えばファイブテン Five-Ten という答えがよく返ってきます。これは5フィート10インチのことで約178cmのことです。スポーツの世界ではバスケットボール、アイスホッケー、野球などアメリカと同じリーグに属しているものはカナダの放送でもフィートや、ポンド、マイルを多く使用しています。

    気温はカナダでは日本と同じ摂氏 Celsiusですが、アメリカでは華氏 Fahrenheit が使われています。